テレワークの普及や、環境保全活動の一環などにより、紙媒体の電子化、ペーパーレス化が進んでいます。
それでも企業活動を行ううえで、名刺、会社案内、チラシ、カタログ、パンフレット、ポスター等、コミュニケーションツールとして、欠かすことのできない印刷物もあるのではないでしょうか。
これらの印刷物を発注する際に、必ず選ぶことになるのが「用紙」です。
用紙には、さまざまな種類があります。
ただでさえ、内容の精査や進行管理など、作業が多岐に亘る印刷物の制作工程。
もしかすると用紙については、「よく分からないから、とりあえず他の印刷物と同じ紙にしておこう」など、後回しになりがちかもしれません。
でも、用紙によって、印刷物の仕上がりは大きく変わります。
最適な用紙を選ぶことができたら、それだけで、クオリティもアップしますよ。
そこで今回は、印刷物を担当されるなら知っておいて損はない。印刷用紙の分類や種類についてご紹介します。
印刷用紙の分類
「印刷用紙」は、加工の有無・度合いなどによって、大きく4つに分類することができます。
塗工印刷用紙
表面を塗料でコーティングした用紙です。塗工量(塗布する塗料の量)によって、さらに「アート紙」「コート紙」「軽量コート紙」「その他塗工印刷紙」に分類されます。
微塗工印刷用紙
塗工印刷用紙同様、表面を塗料でコーティングした用紙です。塗工量は塗工印刷用紙よりも少なく、20g/㎡以下の用紙を指します。
非塗工印刷用紙
表面をコーティングしていない用紙です。白色度(紙表面の白さを示す指標)やパルプの配合率によって「上級印刷紙」「中級印刷紙」「下級印刷紙」などに分類されます。
特殊印刷用紙
染色した印刷用紙(色上質紙)や、はがき類、小切手等、特殊加工されている用紙です。それぞれ手触り、風合いが違い、適した用途が異なります。
印刷用紙の種類
次に、代表的な用紙の種類をご紹介します。
上質紙
非塗工印刷用紙で、ザラッとした手触りをしています。印刷した文字が読みやすく、鉛筆やペンによる書き込みも容易です。名刺や、文字メイン、または書き込みを想定した印刷物に適しています。一方、発色は塗工印刷用紙に劣るため、写真やイラストをきれいに見せたい場合には不向きです。
コート紙
ツルツルとした手触りの塗工印刷用紙で、光沢があります。インクのりが良く、期待通りの発色で印刷できるため、写真やイラストをきれいに見せたいチラシ、カタログ、パンフレットなどに適しています。ただ反射によって見えにくい場合があったり、筆記性が低いため、書き込みを行う用途の印刷物には不向きです。
マット紙
塗工印刷用紙ですが、コート紙に比べ光沢が抑えられるよう、つや消しが施されています。マットな質感で、色がややくすんで表現されます。落ち着いた雰囲気や、高級感を出したい会社案内、カタログ、パンフレットなどに適しています。
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上記3つは、企業で制作する印刷物ツールにおいて、最も使用されやすい用紙です。印刷物の制作を担当されている方は、すでによくご存じかもしれません。
さらに当社でご提案する機会の多い用紙に、以下のような種類があります。
嵩高微塗工紙
繊維の密度が低く、軽さの割に厚みのある用紙です。カタログ、パンフレットのページ数を減らしたけれど、ペラペラの印象を与えたくない。同じページ数、同じ厚みで、持ち運びやすいようにできるだけ軽くしたい。そんなご要望がある場合におススメしています。
FSC認証紙
適正に管理された森林資源に由来した原料を使用している用紙です。FSC認証紙を使用した印刷物には「FSCマーク」を使用することができ、環境に配慮していることが伝わるため、企業イメージのアップにもつながります。FSC認証紙には、上でご紹介した上質紙、コート紙、マット紙、嵩高微塗工紙など、さまざまな種類があります。環境問題への企業の取り組みが注目されている今、多くの印刷物で目にすることができます。
ご紹介した用紙のほかにも、耐水性にすぐれ、屋外ポスターに使用できる「ユポ紙」や、火器を使用する現場にも適した燃えにくい「ストーンペーパー」、クリーンルームに持ち込める唯一の用紙「無塵紙」など、多種多様な紙が存在しています。
もし、「こんな用途の印刷物を作りたいが、可能かどうかわからない」などのお悩みがある場合は、ご相談してみてください。